ブログをお読みいただきありがとうございます。
こちらでは身体に関わる情報を簡単にですが、まとめ定期的にお伝えしていきたいと思います。
今回は坐骨神経痛についてです。
よく『坐骨神経痛で困っている』、病院で『坐骨神経痛と言われた』という声をお聞きします。ご覧の方で、坐骨神経痛でお困りの方も多いのではないでしょうか?
坐骨神経痛の原因の一つに、梨状筋症候群という絞扼性の神経障害があります。ここでは梨状筋症候群についてご説明したいと思います。
このブログをご覧いただくことで、梨状筋症候群の理解と、坐骨神経痛に対する対処法を知ることができます。
・梨状筋について
・坐骨神経と梨状筋の関係性
・坐骨神経への影響
・症状の誘発テスト
・対処法(セルフエクササイズ)
・まとめ
梨状筋とは?
梨状筋とは、お尻の深部に位置する筋肉で、股関節を外側に開く動き(外旋動作)を担っています。だいたい骨盤の真ん中からお尻の中心部に位置する筋肉と思っていただけると良いかと思います。表面にある筋肉ではなく深部に位置する筋肉で、近くには坐骨神経をはじめとする神経が走行しています。
体や骨盤周囲を後方から見た解剖の写真となります。
青色になっている部分が梨状筋の位置となります(右側は表面の大臀筋を取り除いています)。
梨状筋はお尻の中心部付近の深部に位置しています。その表面には大臀筋というお尻の筋肉が表面を覆っています。
梨状筋と坐骨神経の関係性
緑色に染色されている部分が坐骨神経となります。
坐骨神経は、脊髄から分岐した神経が臀部から下肢に向かって走行する神経です。
坐骨神経の特徴として、9割の方は、坐骨神経が梨状筋の下を通過していることです。
梨状筋の下を走行していることで梨状筋の影響を受けやすいと言われています。
坐骨神経への影響
梨状筋など坐骨神経の上下に位置する筋肉が硬くなることで、神経が絞扼されることを梨状筋症候群と言います。
臀部への外傷や、筋肉の使いすぎなどにより坐骨神経の通り道が絞扼されることがん関与していると考えられています。
そのため、梨状筋を含めた坐骨神経周囲の筋肉を柔らかく伸び縮みしやすい適正な状態に保つことが重要となります。
症状の誘発テスト
以下に示す動きで症状が誘発される場合、坐骨神経痛の可能性が疑われます。
詳しくは専門家へのご相談をオススメいたしますm(_ _)m
膝を伸ばし、つま先を内側に向けた状態で脚を持ち 上げます。
この状態で、臀部に症状が再現されれば坐骨神経が疑われます。
人によって痛みが生じる場合や痺れが生じる場合が ありますので、ゆっくりと行ってください。
膝を曲げお腹の方に向けて、脚を深く曲げていきます。
この状態で、臀部に症状が再現されれば坐骨神経痛が疑われます。
人によって痛みが生じる場合や痺れが生じる場合 がありますので、ゆっくりと行ってください。
対処法(セルフエクササイズ)
梨状筋症候群では、梨状筋を柔らかく伸び縮みしやすい状態とすることがとても重要になります。ご自身でできるものとしてお尻のストレッチと神経のストレッチが有効です。
・お尻周りのストレッチ
方法と注意点
左膝の上に右足の外くるぶしを乗せます。右膝が外側に開いた状態となります。
その状態をキープしたまま、体をゆっくりと前方に倒していきます。
この時に腰が曲がった状態とならないよう胸を起こしながら体を前方へ倒していきます。
右のお尻やモモとお尻の付け根付近に伸び感を感じられていればO Kです。
伸び感を感じたまま20秒程度キープします。
3セット程度実施してみましょう。慣れてきたら回数を増やしていきましょう!
※特に症状の強い方は、痛みのない側の足から行ってください。
※椅子に座った状態でも行えます。
・神経ストレッチ
方法と注意点
両方の膝を抱えます。膝裏・モモ裏を持った状態で膝を伸ばします(写真では踵を持っていますが、モモの裏で大丈夫です)
膝を伸ばす時に、膝の位置が変わらないように注意しながら膝を伸ばします(伸び感を感じていれば膝は曲がった状態で構いません)。
筋肉の伸び感を感じたらその位置で5秒止めます。
伸ばした膝を戻し、再度同じ動作を繰り返します。
徐々に膝の伸ばす角度を大きくしていきます(症状に合わせて行ってください)。
※特に症状の強い方は、片側ずつ行ってください。痛みのない側の足から行ってください。
※図の姿勢が難しい方は、座って膝裏を抱えた状態で膝を伸ばすでも代用可能です。
まとめ
1 坐骨神経痛の原因の一つに梨状筋症候群がある。
2 梨状筋症候群とは、梨状筋と坐骨神経との間の絞扼性神経障害である。
3 お尻周りの筋肉の柔軟性と坐骨神経の滑走性を改善することが必要である。
今回は、梨状筋症候群による坐骨神経の絞扼障害についてお伝えしました。
症状を改善していくためには、お尻の筋肉を柔らかい状態とし筋肉がしっかりと伸び縮みしやすい環境を作ることが重要となります。
筋肉が柔らかい状態を保ち症状が起こりづらい身体作りをしていきましょう!!
参考図書 関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション